一人親方の災害補償
建設現場で働く、大工さん、電工さん等の一人親方の職人の皆様、
もしも現場で、あるいは通勤途中で不幸にして事故・災害に遭われたとき、
その後のご自身、家族の生活補償はきちんと対策がとられていますか?
厚生労働省によると、令和4年における一人親方の死亡災害は
36件で、令和3年に比べ15件の減少ではあるが依然として多い状況で推移しています
(令和4年の一人親方の死亡災害の状況)。
一人親方の労災保険への加入率は、年々高くなってきていますが、令和4年に死亡された36人のうち、8人の方が労災保険に未加入でした。
おそらく、ご遺族の方はその後、経済的にも苦境に陥ったのではないでしょうか。
一人親方の皆さん、一人親方に仕事をさせている皆さん、労災保険特別加入について真剣にご検討ください。
一人親方等の死亡災害の推移
注 一人親方等とは、雇用事業主等と一人親方の合計です。
一人親方等の死亡災害の事故型別状況(2014年~2021年)
2014年から2021年を累計したもので、総数は660人である。
事故の型別状況から墜落・転落災害防止の対策が重要で、そのためには安全な足場の設置、
開口部の養生、墜落制止用器具(安全帯)使用が望まれます。
請負契約で働く、一人親方には元請の労災保険は適用されませんし、
国民健康保険や国民年金では十分とは言えません。
やはり、国が所掌する労災保険が費用と補償内容で最も優れています。
本会は、一人親方の皆様に最安の費用
で労災保険特別加入と災害防止の情報提供を行っております。
特別加入制度のメリット
一人親方の労災保険特別加入制度は、団体を使用者と犠牲」して加入させる
制度で、国が運営する労災保険の全ての補償が受けられます。
国が運営することから
★ 低額の負担で補償が受けられる
★ 補償内容は、被災者が必要とするものとなっている
★ 安全、公正で、支給基準が明確である
★ 自分の生活に即した保険料が選べる
というメリットがあります。
一人親方と元請
下請の代表者には元請の労災保険が適用されませんので、一人親方
又はその同居家族の現場での災害・事故、通勤災害に対しての補償は一切ありません。
また、労働関係法においては元請が補償する義務は原則としてありません。
しかしながら、現場での事故・災害については、労働安全衛生法の
元請管理責任や民事上の安全配慮義務で補償義務が生ずることが多いと思われます。
もしそのような事態になった場合、労災補償を受けた限度で補償額が相
殺されますので、労災保険に特別加入されている一人親方に仕事を発注さ
れるのが良策といえます。
現場での安全管理を徹底し、事故を起こさないのが肝要ですが、万一に備え、
一人親方に労災保険の特別加入を勧奨しましょう。
なお、平成28年に成立した「建設工事従事者の安全及び健康の確保の推進に関する法律」において、
建設工事の現場における措置の統一的な実施、具体的には労災保険関係の状況の把握の促進等が重点事項になっており、
現場に未加入の一人親方がおれば、資格点数が低くなりますので、その点からも加入勧奨を徹底しましょう。
加入団体の選択
労災保険特別加入に要する費用は、労災保険料と会費です。
労災保険料は、国に納付するものですのでどの団体でも一緒です。違うのは会費ということになります。
どの団体も似たような額ですので、いざというときに親身なって懇切丁寧に対応してくれる団体を選ぶのが大切です。